diary

妊娠糖尿病とマタ旅。

新年あけましておめでとうございます。(遅)

長らく病んでおりました…。

『妊娠後期に入ったら、メンタルブレブレになるよ』

妊娠発覚当時、東京の先輩ママから懇々と力説されていた通り、8ヶ月に突入してからは仕事も落ち着いて肩の荷も下りたせいか、みるみるお豆腐メンタルに…。

前々回のブログでもチラリとお伝えしていましたが、年末、妊娠糖尿病の再検査を受けてきました。願いは虚しく、2つの検査で基準値を超え、正式に妊娠糖尿病の診断を受けました。

空腹時・(甘い炭酸水を飲んだあと)1時間後・2時間後に血液検査があり、どれか一つでも引っかかったら妊娠糖尿病と診断されます。

前にも話していた通り、高齢出産でもなければ糖尿家系でもない、そして肥満体系でもありません。安定期からは毎日ウォーキングをしていたし、余裕があればジムにも通いました。(←ストイックすぎん?) 当たり前に食事にも気を付け、体重も妊娠前から5キロほどしか増えていません。それなのに一体、なぜ…(T_T)

先生からはただ一言、「体質の問題」と言われてしまいました。

2011年から妊娠糖尿病の検査基準が厳しくなり、いまや8人に一人が妊娠糖尿病と診断される時代。痩せてようが太っていようが、体質から妊娠糖尿病と診断を受ける妊婦さんが、たくさんいるのだそうです。

こうして新年早々に、1泊2日の管理入院も決定。めちゃくちゃストレスフルな年末年始を過ごすことになりました。

思っていた以上に『自分だけが食べられない』という環境は、知らず知らずのうちに精神を蝕んでいくようで、人生史上、最もメンタルをやられたお正月でした。

しかもそんなときに限って、三が日は3日間とも義実家に行かなければならず、流石に入院前日の3日は泣きながら旦那さんに「行きたくない」と言って家で一人、ゆっくり過ごさせてもらいました。

4日からの入院は、精神が無の境地に達していましたが、旦那さんがわざわざ仕事を調整して送り迎えをしてくれたので、その優しさに少しだけ心が救われ、人生ではじめての入院生活を頑張ることができました。

入院中は、妊娠糖尿病患者がとる1900キロカロリーが分割食で出され、食前と食後2時間、就寝前の計7回の血液検査が行われました。

何が辛いって、腕からの血液採取だけでなく、指先からの血液採取の両方あったこと。結局2日間で、計18回の血液検査がありました…。退院後の私の腕にはたくさんの注射跡が残り、内出血しまくり。(それを見た旦那さんからは「薬中の人の腕みたいやな」と笑われましたw)

それと、出産前に余計な出費は避けたいと我慢して選んだ総室でしたが、妊娠8ヶ月の妊婦には、病院のシングルベッドはとても狭く、大きなおなかで寝返りを打つには大変でした。硬いから腰も痛くて、夜はほとんど眠れなかった…。

でも、入院中の血糖値は許容範囲内だったようで、予定通り1泊で退院することができました。(結局、総室でも白目をむくほど高かった…)

そして退院後は、自宅で1日6回の分割食による食事療法と、7回の血糖値測定の日々がはじまりました。

血糖値測定器は貸し出してくれる病院もあるみたいですが、こちらは全て実費でした。

栄養士さんの指導や病院食を真似て、いざ自宅で食事療法を試してみるも、基準値を超える日々が続き、さらには1日中、食事と血糖値測定に追われていることもあり、どんどん気持ち的に追い込まれ…

気付けば人にもあまり会いたくなくなり、SNSからも距離を置き、どんどんどんどん塞ぎ込んでいる自分がいました。

「このままじゃインスリン投与も、免れないかも…」

そんな不安とうまくいかないストレスで、心はもう限界でした。

そんなとき、以前から計画していた新婚旅行の日がすぐそばまで近づいていました。結婚してすぐにコロナが流行ってしまったので、なかなか行くことができず、今回は出産前のマタ旅、そして結婚2周年記念をかねての旅行でした。出発時は本調子ではありませんでしたが、結婚式ぶりに淡路島を抜け出して行く旦那さんとのはじめての旅行は、とてもいい気分転換になりました。

久しぶりに一緒に貸し切り風呂へ入ったり、布団を並べて寝たり…

9ヶ月の妊婦なので、旅館側もいろいろと気遣ってくださり、楽しく快適に1泊2日を過ごすことができました。

これだけの笑顔を取り戻せるまでには回復しました。

それからいちばん心配していた旅先での血糖値も、罪悪感から”せめて炭水化物は抜いておこう”とおかずだけ完食していたらなんと全てクリア。

病院からは『母体の栄養はもちろん、赤ちゃんへ送られるエネルギーはほとんどが炭水化物だから、炭水化物は抜かないでください』と言われていたので、必死に決められた単位を守ってとってきていたけど、逆に”炭水化物を抜けば、こんなにおなかいっぱいおかずを食べられるんだ…”と気付き、そこからは少し気分が晴れ、翌朝の朝食も炭水化物を抜き、食べたかった温泉まんじゅうや豆乳屋さんのソフトクリームも堪能することができました。

いまは低糖質のパンやパスタ、お米は食べても規定の1/2単位、代わりに補食で補うことで落ち着いています。

それでも決められた時間に食べることができないときや、猛烈に空腹感を覚えるときは基準値を超えてしまうこともあるけど、いまは1日7回していた血糖値測定も、食後の3回だけになりだいぶ気分的にも解放されました。(とはいえ食べたいものも食べられない生活スタイルはいまも変わらないので、毎日がストレスです)

カーボフのパスタにはお世話になりまくり。茹で時間は長いしかなりあっさりしているけど、満足感があるしなによりソースが美味しい。

自分自身が妊娠糖尿病になって気付いたけど、意識して見てみると、いまは低糖質の食品が本当にたくさん売られていて、裏を返せばそれだけ世の中には糖尿病で食べられない人たちがいるんだなぁと感じています。

シャトレーゼからは、糖尿病の人のために開発された低糖食品シリーズがたくさん出ています。スイーツが驚くほど美味しい。

実際に、日本人はインスリンを出せる量が少なく、糖尿病は5人に一人がかかるほど身近な「国民病」といわれ、日本全体が糖尿病大国とされているそう。私の場合、妊娠糖尿病という”妊娠期間限定”の糖尿病ではあるものの、出産後の糖尿病発症率は通常の7倍なので、産後も糖尿内科に定期的に通うことになるし、引き続き食生活には妊娠前以上に気を付けなければなりません。

ですが妊娠糖尿病になって、初めて見えた世界や食事の大切さを身をもって実感したので、またひとついい人生経験になったと思うようにしています。(細かい食事療法についてはまた改めてブログにまとめます)

世の中のお母さんたちの中には、何事もなく子供を授かり、何のトラブルもなく出産できる人もいれば、大変な思いをして子供を授かり、産むときですら人一倍の苦労をされている人もいます。

入院していたとき、同室にいた妊婦さんたちはみな、切迫早産や妊娠高血圧症で長いこと入院生活を送っている方たちでした。コロナ禍で家族とも会えず、病状が悪化すれば心の準備をする間もなく帝王切開や生産期に満たずしての出産を余儀なくされることもあります。

そんな状況をリアルに目の当たりにした入院生活は、改めて母の強さ、尊さを肌で感じる時間であり、「何事もなく無事に出産できるということは奇跡なんだ」と痛感する出来事でした。

そして今回の件で、自分の身体を労わることの大切さも同時に感じました。妊娠してからというもの、本当に働きすぎだったという反省もあるので、育休中は、子供との時間を大切にしながら、自分自身のこれからの仕事の在り方もしっかりと考える時間にしたいなと思っています。

そのうち二人目も欲しいし、きっとまた妊娠糖尿病になるだろうからね…。(ノД`)・゜・。

ということで出産まで残り1ヶ月半。穏やかに穏やかに…そのときを待ちたいと思います。

旦那さんと過ごす、二人きりの最後の時間も大切にしながら…。

「紡ぎ屋」の藤本沙紀です。2017年3月に東京から淡路島へ移住し、フリーライター・制作ディレクターとして活動しています。2020年に島の男性と結婚し、2022年には第一子を出産。ワーママとして日々、奮闘中。