diary

眠れぬ夜はキミのせい

夏も近づくある日の夜、気持ち良く眠っているとやってくるアイツ。

深い眠りを一瞬でかっさらい、しつこいかゆみだけを残していく永遠の天敵。

蚊だ。

まだ5月だというのに夏のような暑さが続いているここ最近、我が家では蚊の襲来が激化している。

昨夜もヤツはやってきた。

「ぷぅ~ん…」

挑発するような憎らしいその音が、試合開始のゴングだ。

旦那はわたし以上に、蚊がキライだ。キライというか、存在を許さない。

どんなに眠かろうと蚊がいると分かった途端、部屋中の明かりという明かりを全てつけ、新しい1DAYコンタクトをわざわざ装着し瞳孔MAX・視界全開での戦闘モードと化す。

一方、わたしはといえば「ベーブつけておけば良くない?(´⊃ω・`)もう寝ようよー」という派なのだが、旦那はヤツを殺るまでは絶対に眠らない。

「あっ、あれじゃない?」

“パチン…!”

「あっ、あれかも!!」

“パチン…!”

2匹ほど“蚊…にも見える虫”を仕留めるも、「いや、これは蚊やない」そう言って諦めない。

1時間後…

だんだんと眠くなり、わたしの意識が遠のいていこうとした瞬間

「おったで!玄関のドアに張り付いとった!ホラ…」

満足げに、ティッシュで殺められた蚊の亡骸を見せてくる。

「良かった…ね…(=_=)」玄関まで探しに行った旦那の執着心に若干戸惑いながらも、ほとんど寝ぼけ眼で(多分)労をねぎらったのがわたしの最後の記憶だった。

また以前にも

「蚊がおるぞ!!!」

そう言って気持ちよく眠っているわたしの布団をわざわざはぎ取り、起こしてきた夜もあった。

心外だった。布団をはぎ取られるなんて。

あれは確実に「火事だ!!逃げろ!!」のときにやるやつだ。「蚊」ごときでやるものではない。

ただその日は本当に眠くて、部屋の明かりが煌々と付いていても眠れるくらい戦力外だった。

朝、目を覚ましてふと横のテーブルを見ると…

やっぱりティッシュの上にそっと、仕留めたヤツの亡骸が置かれていたのだった。

“ちゃんと仕留めましたよ”という自分の勇姿を見せたかったようだ。

寝ているのに不必要に起こされることといえば、付き合っている頃にもこんなことがあった。

真夜中のこと。のどが渇き、水分補給をしに起きた旦那が寝室に戻ってくると、何を思ったか寝ているわたしの上半身を起こし、飲みかけのペットボトルの水を飲ませた。

介護だ。

いや、わたしは眠っていたし、特にのども乾いていなければ「わたしにもちょうだい」と言った覚えもない。そもそも旦那が水を飲みに行ったことすら気付かないくらい爆睡していたのに…

急に上半身を起こされたと思ったら、水を飲まされたのだ。

後日、なぜそんなことをしたのかを問うと

「のど乾いとるんちゃうかなーと思って…」

完全に余計なお世話だった。

旦那は良くも悪くも、かなりの不思議ちゃんだ。

忘れものも多いし片付けも苦手だ。

だけど倒し方は除いて、虫に強いということだけはわたしにとってはとても大きなメリットだった。

Gは素手でイケるし、クモも蛾も、得体のしれない物体も涼しい顔をして退治してくれる。

そして寝たかと思えば急に「冨永愛のモーニングルーティーン」とか見出したりするから笑える。

そう、“なんか笑える”って大事だ。

たとえ蚊のせいで寝不足になったとしても…

いや、眠れないのは蚊のせいじゃない。

きっととなりで一生懸命に闘う、キミのせいなんだと思う。

「紡ぎ屋」の藤本沙紀です。2017年3月に東京から淡路島へ移住し、フリーライター・制作ディレクターとして活動しています。

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